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        海外の旅行記とチベットのこと  by カズ@憧れの大地 

世界への旅(旅行記)

アジア周遊第5部 北インド、パキスタン

フンザ-8 ~山と谷にお別れ

Haider Innの食堂で、フンザ最後の晩餐である。ベジタリアンの西洋人たちが「チキンが入ってる!」と騒ぐ。食生活の違いというのも大変なものだ。
近くの席に座っていた年配の日本人男性と、食事がてら旅談義に花を咲かせる。そんな中、私が南チベットで出合ったある出来事に話が及んだ。
「チベットのシガツェで、長年行きたいと思っていたお寺に入ったとたん、それまでの曇り空がパッと晴れて真っ青な空が顔を出したんです。あの時、無宗教だった私に『神仏は本当にいるかもしれない』という気持ちが芽生えましたね」
すると男性は、
「そうですか。それだけでも旅に出た甲斐があるというものだ」
と言う。
信仰を持つことがいいことなのかそうとは限らないのか ―― その答えすら未だ出ていない私には、それにどう答えればいいか分からなかった。しかし、チベット仏教との再会が私にとって大きな出来事だったのは、ここから先行こうとしている場所を考えただけでも明らかだった。

そして、相変わらずの停電の中、フンザ最後の夜は過ぎていった。

2007年8月16日

真っ白に輝くラカポシ峰
シルエットになった禿山の向こうに輝くラカポシ峰
いつもより更に早い5時に起床。4日間の宿代と食費を清算する。
宿の主であるハイダー爺から、昨日ネットカフェの主人が言っていたカラコルム・ハイウェイの土砂崩れの話を改めて聞かされた。どうやらやはり本当らしい。
「行くか行かないかはあんた次第じゃがな」
ハイダー爺が言う。既に気持ちがインドに向かっていた私は、それでもやはり先へ向かうことにする。足止めされたらされたで、それはその時考えよう。
ハイダー爺や従業員、起きていた宿泊者らに別れを告げ、6時10分、ゼロポイントから満員のワゴン車に乗ってまずはギルギットへ向かう。
車窓から、シルエットになった禿山の向こうに雪山だけが光を浴びて真っ白に輝いているのが見える。フンザの山と谷は最後のお別れの瞬間まで私を楽しませてくれた。 ギルギットのバススタンド
ギルギットのバススタンド

ギルギットには2時間半ほどで到着した。話によると、ミニバスなら通れるようなので(*)、ラワルピンディ行きのミニバスのチケットを購入した。但し、出発は15時とかなり待たされた。
来た時から気になってはいたのだが、ここギルギットのバススタンドには、日本から流れてきた中古のバンが実に多い。しかも、店名や電話番号が書かれたままのものまである。意外な場所で、日本とパキスタンの意外な繋がりを見ることができた。いずれにせよ、日本のものが中古とはいえパキスタンでお役に立てていると思うと何だか嬉しい。

6時間半待ちでようやく、ギルギットを出発。カラコルム・ハイウェイを今度は南下する。
慣れというものは恐ろしい。カラコルム・ハイウェイでのバスの揺れはもう殆ど気にならなくなっていた。

* 後から聞いた話だが、どうやら大型バスも既に通ることができたようである。

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