バス憧れの大地へ

世界への旅(旅行記)

アジア周遊第2部 チベット東南部、大陸中国西南部

ギェルタン(シャングリラ)-5 ~桃源郷の風景

注:ギェルタンとはシャングリラ(香格里拉)の名で知られている街で、現状中国雲南省に属しているが本来チベットの版図に属する。

2007年6月18日

ギェルタン新市街
高台から望むギェルタン新市街
ギェルタン最終日。早朝に少し古城内を散歩し、暫く休んだ後、正午前にチェックアウトする。
その後、新市街に出たところで、同じ宿の、ギェルタンからラサへ向かおうとしている日本人青年と出会う。
「チベット観光局に行ってみたんですけど、パーミット(入境許可証)を発行してもらえなかったです…」
やはりだめなのか ―― 不安はどんどん高まっていく。

新市街西側の高台に上ってみる。新市街は古城のような風情は無いが、周囲にそびえるチベットの山々と重ねてもそんなに違和感は無い。高層ビルが無いのが理由の一つだろう。

高台から下りて古城の方へ向かうが、古城には入らずその手前の道を西へ進む。現地で買った地図に「平和塔」と書いてあったのが気になって行ってみたのだが、特に何の変哲も無い仏塔だった。

平和塔
平和塔
牧歌的な風景
市街の西側で見た牧歌的な風景

ついでなのでもう少し西へ歩いてみると、建物のひしめく市街とは対照的な、広々とした大地に花畑や水田が広がり、その向こうに山が連なっている牧歌的な風景に巡り合った。
私は「シャングリラ」というこの街の通称に、桃源郷のイメージを抱いて来たのだが、新市街は勿論、古城ですらそうした雰囲気に乏しく、少々がっかりさせられていた。ここに来てようやく、私の求めていた「シャングリラ」を見ることができた(※)。

再び古城に戻る。 古城内を歩くチベット僧
古城内を歩くチベット僧
この日でギェルタンを離れ、中国に一旦戻ることにしていたので、チベットの民族衣装、チベット風の木造家屋、チベット僧、チベット寺院、マニ車といった、ここで見られるチベットの風景もひとまず見納めとなる。

インターネットや夕食の後、バスターミナルに向かう。
同じバスを待っている外国人(オーストラリア)の家族がいたので、暫く英語で話をしていたが、私が"I'm from Japan."と言うと、
「あ、日本人ですか。私、日本で英会話スクールの先生やってるんですよ!」
日本語が返ってきた。
彼の奥さんと思われる女性の体は、頭のてっぺんから爪先まで、見事にチベット人の衣装に包まれていた。彼らの目と心にチベットの文化がいかに魅力的に映るのかがよく分かる姿だ。

中国・昆明へのバスは19時半、ギェルタンを出発した。夜の山道を行くバスの車窓からは、この旅を初めて一番(この段階で)の星空が見える。
この先は中国だが、何としてもまたチベット文化に触れたい ―― 多難な前途が予想されるが、「もう一度ラサへ」の気持ちは今回のギェルタン、ジョル訪問で益々強くなった。

※ 現在では、中国当局が勝手に付けた「シャングリラ」の名前を認めていない。

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