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雑記ブログ

心の本質は光―ダライ・ラマ法王東京講演

夢の中に、チベット高原の大地とポタラ宮が現れた。この日参加しようとしているイベントに、やや興奮気味のようだった。

午後から休みをもらって外出する。普段は相撲で使われる両国国技館がこの日は別の目的でやってきた来訪者で長蛇の列となっていた。
会場をよく見渡せる枡席の好ポジションに座り、開演を待つ。

午後2時すぎ、2度ほど”肩透かし”があったものの3度目の正直で本日の主役が入場。
会場がスタンディングオベーションで迎えたその人物は・・・

 ダライ・ラマ14世

4500人の来訪者が、法王のありがたいお言葉を2時間半にわたって拝聴した。

法王の講演は昨年、インド・ダラムサラでも参加したが、あの時は壁に阻まれてお声はすれども話しているお姿は見えず、だったので実際にお話をされる姿をこの目で生でしっかり見るのは事実上、これが始めてだった。穏やかながらも力強く、ユーモアのある語り口調は健在。病み上がりなのが心配されたがお元気そうだったので安心した。

お話の内容は、主に在家信者向けで分かりにくかった昨年の講演に比べ、今回は一般者向けということで非常に分かりやすかった。精神的な問題は精神的なレベルにおいてのみ解決可能で、感情の限度を自ら知り、心を持続的に観察・調査してバランスを取ればストレスや苦しみも軽減されるということ、心の本質は光であって「愛と慈悲の光が何より大切」などとの言葉を賜った。
(予想通り、政治的なお話は一切無かった。と言うか、政治的な話をしないことが来日の条件だった)

今回の講演で感じたのは、法王が想像以上にリアリストだということ。
「私に特別な力を期待する人が時々いるが、そんなものは無い。私は全世界の60億分の1の、1人の人間にすぎない。中にはヒーリングの力を期待する人もいるようだが、私はヒーリングの力など信じない。そもそも私にヒーリングの力があれば、先日受けた手術など必要なく自分で治せたではないか」
ともすれば小難しくなりがちな「人の心の内面」というテーマの講演がこれだけ分かりやすかったのは、法王がリアリティーある視点からお話しになったからではないか、という気がした。そして、法王がチベットの独立ではなく「高度な自治」を求めていること、それを非暴力によって実現しようとしていることも法王のリアリズムを表すものに他ならない。

講演の後は質疑応答。法王に質問したいという聴講者が大勢列をつくったが、時間の都合で4人で終了。その4人の中には、最近思い切った転身を表明しつつもそのことで心に悩みを抱えている某金メダリストもいた。

開始時と同じようにスタンディングオベーションで法王を見送り、講演会は終了した。
これからの人生を心穏やかに過ごすためのヒントが得られたような気がした。

講演終了後、映画「チベットチベット」のキム・スンヨン監督と再会しすこしばかり立ち話。国技館を出てからは顔見知りのチベット・サポーターと場所を変えて懇談。その際にウイグル人の方や中国民主派の方と交流できたのも大きな収穫となった。


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