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雑記ブログ

追悼 「08憲章」の父・劉暁波氏死去

2017年7月13日…

中国の民主化への願いを訴えた「08憲章」の父・劉暁波氏が死去した。61歳という若さだった。

まず、彼の略歴を振り返ると、

・1955年 吉林省長春市で出生。
・1982年 吉林大学文学部卒業。
・1984年 北京師範大学修士課程修了。
・1989年 海外で就学の後、帰国。天安門前での民主化運動(六四天安門事件)に参加、投獄される。
・2008年 「08憲章」を起草するも、発表直前に拘束される。
・2009年 国家政権転覆扇動罪で懲役11年の判決を受ける。
・2010年 刑が確定。ノーベル平和賞を受賞するも、受賞式に出席できず。
・2017年 末期がんの診断を受け、仮出所。がんで死去。

波乱万丈の人生だった。

<08憲章について>
発表直後の時期に、私はこのサイトで全文翻訳を試み、チベット問題とも絡めて考察・批評もした。

「民主主義に触れたことのない人々にとって、同憲章の内容は大なり小なりインパクトを持つものといえる」
「理念はよく表現されているが、全体的に抽象的で、具体的にどのような政体、どのような政治運営を目指しているかが見えてこない」
「<人権について><宗教について>については、ダライ・ラマ法王及びチベット亡命政府の立場と完全に一致し、歓迎すべき方針と言える」
「結局のところ、08憲章派も「中華思想」からは一歩も抜け出せてはいないのではないか」

と、結構辛口に批評させていただいたが、それでも彼が、そして08憲章が、中国共産党支配下の中国に大きなインパクトを与えたことは疑いの余地はないだろう。
ただ、中国共産党という巨悪の壁は余りに分厚すぎた。ソ連が、東欧の共産主義体制が崩壊したあの1989年に中国にも起きた民主化のムーブメントをものともせずに武力でねじ伏せた強権・カルトぶりの中国共産党はゴキブリ以上にしぶとく、その後も30年近く独裁体制を崩さない。ついに劉暁波氏は存命のうちにその理想が実現するのを見ないまま他界してしまった。
しかし、彼の死によって08憲章は再び見直されるに違いない。不完全ではあるものの、彼の理想は崇高で実現されるべきものだ。必ずや、誰かが引き継ぐことだろう。
来世でその日が来るのを待っていていただきたい。

<彼の出所について>
「死ぬ間際の出所」という点に、私はチベット問題を描いた映画「風の馬」を思い起こした。
この映画では「チベットに独立を」と公衆の面前で叫んだ尼僧が逮捕され、ボコボコに拷問を受けた挙句に刑務所を放り出され、家族らや外国人訪問客が見守る中で前でチベットの惨状を訴えながら死んでいる。
劉暁波氏は家族の要請があった後で出所しているらしいが、それでも「死ぬ間際の出所」という点に、私は「獄死されると面倒だから出しておこう」という中国共産党当局の意図が垣間見えるような気がしてならない。

<彼の人柄について>
彼は中国共産党に歯向かい、中国共産党に投獄された。あの連中を恨んでも当然のことなのだが、
「私に敵はいない、憎しみもない」
というのが彼の信念だったという。
何という寛大さだろう。これこそ、彼のノーベル平和賞の受賞者たるゆえんだろう。同じノーベル平和賞受賞者であるあのダライ・ラマ14世にも引けを取らない慈悲ぶりだ。

信念・人柄とも立派であること極まりなかった彼の死に、心の底より哀悼の意を示したい。

合掌。

国慶節に“中華人民共和国”の“国旗”に「×」

今日は“中華人民共和国”の“建国”65年を呪う「国慶節」らしい。

何が「中華人民共和国」だ。何が「建国」だ。

私の世界地図に「中華人民共和国」は存在しない。
中国共産党という歪んだ覇権主義・全体主義・自己愛主義・漢民族至上主義のカルト集団が不法に占拠する中華民国、チベット、ウイグル、モンゴルの国土があるだけだ。

当初は、台湾の中華民国政府が正統性を持っていたはずなのだが、ニクソン(元米大統領)と田中角栄(元日本首相)が中共政権に正統性を与えてしまった。奴らの罪は余りに大きすぎる。

そんな国慶節の今日、実にGood Jobだった人々がいた。
香港で、民主派の候補を締め出す形の新選挙制度に、そして“中華人民共和国”に、その“国旗”に「No」を突き付けた学生たちである。


香港:国慶節の会場で学生ら抗議…国旗掲揚時に手でバツ印
(毎日新聞 2014年10月1日)
【香港・鈴木玲子、隅俊之】中国の建国65周年となる国慶節(建国記念日)の1日、中国各地で記念式典が開かれた。学生らによる大規模デモが続く香港では同日朝、香港政府トップの梁振英(りょう・しんえい)行政長官らが中国国旗と香港行政特別区の旗の掲揚式に参加した。会場周辺には多数の学生が詰めかけ、緊張の中での式典となった。
デモは次期行政長官選挙制度に抗議して起きた。デモを率いる学生リーダーらはこの日、式典会場内に入り、中国国旗の掲揚の際に両手でバツ印を示して抗議した。梁行政長官には「辞任しろ」の声も飛んだ。


中国に“返還”されながらも、中国共産党に毒されず、法輪功が反中国共産党キャンペーンを自由に行えるような自由さが残っているあたりが、私が香港を好きでいられる大きな理由だ。
その香港までもが中国共産党化されてしまっては、たまったものではない。

香港の学生諸君
私は君たちを、全面支持します。

祝・劉暁波氏ノーベル平和賞受賞

余り書いている時間が無いのでとりあえず一報を・・・
当サイトでも取り上げてきた「08憲章」の起草者の1人である中国の民主活動家・劉暁波氏にノーベル平和賞が授与されることが決まっりました。

『ノーベル平和賞に劉暁波氏 服役中、中国当局の反発必至』(共同通信)

 【ロンドン共同】ノルウェーのノーベル賞委員会は8日、10年のノーベル平和賞を、中国の著名な民主活動家、劉暁波氏(54)=国内で服役中=に授与すると発表した。「長年、中国で基本的人権(の確立)のため、非暴力的な手段で闘ってきた」ことなどが授賞理由。人権状況の改善を中国に強く迫った形。中国在住の中国人がノーベル平和賞を受賞するのは初めて。受刑者への授与も異例だ。

 民主化運動が武力弾圧された天安門事件(89年)の指導者の一人である上、国家政権転覆扇動罪で今年2月に実刑が確定した同氏への授賞決定を、中国政府が内政干渉とみなして反発を強めるのは必至だ。

 中国の人権問題に絡む受賞は、89年のチベット仏教最高指導者ダライ・ラマ14世以来。中国の傅瑩外務次官は今年6月、劉氏に賞を与えないよう、同委周辺に圧力をかけたことが明らかになっており、今後ノルウェーとの外交問題に発展する可能性がある。

 天安門事件の際、北京師範大学講師だった劉氏は、天安門広場で戒厳令に抗議してハンストを実行。08年12月には、中国の一党独裁体制廃止などを訴えた「〇八憲章」を発表した。中国の裁判所は09年12月に国家政権転覆扇動罪で懲役11年などの実刑判決を言い渡し、今年2月、控訴を棄却。

まずは受賞おめでとうございますと言いたい。この受賞が、中国における人権問題と人権活動に対する国際社会の注目を集めることに繋がるのは確実だろう。

しかし、一方の中国共産党は相変わらず強硬的な手段に出るばかりだ。

『ノーベル平和賞:中国、報道中断 妻の会見中止』(毎日新聞)

 中国の国内総生産(GDP)は10年に日本を抜き、世界2位となるのは確実だ。しかし、中国は気候変動問題をはじめ国際会議では「途上国」の立場を主張し続け「責任ある役割を果たしていない」との批判も強い。劉氏への平和賞授与は、人権問題を含め、中国が大人の国になるよう求めたものとも言える。

 欧米諸国から人民元の切り上げを求められながらも、応じていない中国へのくすぶる不満や、領海問題で周辺国とたびたび衝突している中国に対する脅威論の台頭も、授賞の背景にありそうだ。

 一方、こうした“警告”に対して、中国は激しく反発している。

 「ノーベル平和賞に対する冒とくだ」との外務報道官名のコメントをウェブサイトに掲載したほか、ノルウェー政府との外交関係にも影響が出ると予告した。中国政府はノルウェー政府に対し、劉氏への平和賞授与は中国とノルウェー両国の関係に「否定的影響を及ぼす」と圧力を加えたほか、報道官は9月末に「法律を犯して刑罰を科された人物。ノーベル平和賞の趣旨に反する」と述べるなど、人権問題で国際社会の批判を浴びることに警戒感を強めていた。

 また、劉氏の妻、劉霞さん(49)は当初、北京市内で記者会見する予定とされ、自宅近くには海外メディアの記者ら約100人が集まっていた。しかし、授賞決定が発表されても劉霞さんは現れず、自宅に通じる道は公安当局者に封鎖された。香港の人権団体「中国人権民主化運動情報センター」は、劉霞さんや親族が取材を受けることを公安当局が禁止したと伝えた。

 報道管制も敷かれた。授賞発表を生中継していた米CNNや英BBCの映像も、劉氏の授賞決定が伝えられると画面が真っ黒になり、音声が聞こえなくなった。NHKの海外向け放送も、関連したニュースになると同様の状態となった。

いや、そういう体質から脱却せずにそういうことを繰り返すから内外から批判を受けるのだということが理解できないのだろうか・・・

 

<参考ページ>
08憲章全文(日本語)
(本日、このページへのアクセスが殺到しています・・・)

「08憲章」起草者に有罪判決

当サイトのアクセスログを見ていると、検索エンジンで「08憲章 全文」をキーワードに「08憲章全文(日本語)」のページを訪れてくれる方が昨日から急増している。このキーワードで検索するとGoogleでは1位、Yahoo Japanでは2位に表示されるのでアクセスアップに繋がっているが、このキーワードからのアクセスが急増したのはどういうことか。
昨日から、中国当局に拘束されている「08憲章」起草者劉暁波氏の初公判が行われる、という記事がニュースで流れ、この日判決を伝える報道がされたことから、「08憲章」というキーフレーズに関心を抱いた方が増えた、ということだろう。

さて、この劉暁波という人物、六四天安門事件の際に拘束され、釈放後も労働改造所に入れられたりと苦難を強いられてきたが、それでも民主化運動をやめなかった気骨の人である。「08憲章」起草でも中心的存在となり、同憲章公開直前に身柄を拘束されている。

本日出された、その判決は・・・

国家政権転覆扇動罪で、懲役11年

「11年」という刑期が長いか短いか、という問題ではない。有罪判決が出たことそのものが問題なのだ。まともな国なら罪にすらならない行為である。

以下、この件に関する報道を幾つか紹介。

反体制作家に懲役11年=「08憲章」で国家転覆扇動罪-中国
(2009/12/25-13:30 時事通信)

 【北京時事】中国共産党独裁を批判し民主化を求めた声明「08憲章」を起草したなどとして、国家政権転覆扇動罪(最高刑は懲役15年)に問われた反体制作家の劉暁波氏(53)に対し、北京市第一中級人民法院(地裁)は25日、懲役11年、政治権利剥奪(はくだつ)2年の判決を言い渡した。
 中国当局は今年、建国60周年のほか、民族暴動もあって、治安維持と社会安定を優先し、人権活動への締め付けを強化してきたが、それを反映して、党批判に厳しい判決となった。欧米諸国の大使館員が傍聴を求めたが認められず、米大使館員は法院前で「平和的に政見を発表する人を迫害するのは人権の国際的な基準に反する」と判決を批判し即時釈放を求める声明を発表した。
 判決は劉氏が同憲章のほか、海外で発表した六つの論文で、一党独裁を批判し、多党制導入を主張したことなどが、デマや誹謗(ひぼう)などを通じて政権転覆を扇動した罪に当たると認定した。
 被告側は憲法で保障された言論の自由を根拠に無罪を主張していた。弁護人は「予想以上に重い判決」とし、劉氏は控訴する意向を明らかにした。

中国、反体制作家に懲役11年 「08憲章」起草
(2009/12/25-22:02 日本経済新聞)

 【北京=佐藤賢】中国の北京市第1中級人民法院(地裁)が25日、反体制作家の劉暁波氏(53)に国家政権転覆扇動罪での懲役11年の実刑判決を言い渡し、中国当局は民主化運動の締め付けを強化する姿勢を誇示した。一方、米国務省は判決に対して「深い懸念」を表明、人権問題が国際社会との火種として再燃しつつある。

 劉氏は中国共産党の独裁廃止などを求めた「08憲章」の起草にも参加した中国の民主化運動の象徴的存在。中国では住宅立ち退き問題や失業などで民衆の抗議行動が頻発しており、民主化運動と連動すれば、共産党の一党支配を揺るがしかねない。劉氏への重罰は、体制維持への共産党の強い危機感を浮かび上がらせた。

 中国国営の新華社は判決を英文では報じたが、中国語の記事は配信していない。海外向けには透明性がある姿勢を示す一方、国内向けには当局への反発を招かないよう情報を統制している。インターネット上で発表された08憲章も大半が削除されている。

見せしめか 著名反体制作家に懲役11年 中国
(2009/12/25-12:02 産経新聞)

 【北京=野口東秀】北京市第1中級人民法院(地裁)は25日、中国共産党の一党独裁体制の変更を求めた「08憲章」を起草したとして国家政権転覆扇動罪に問われた著名な反体制派作家、劉暁波氏(53)に対する判決公判を開き、懲役11年の実刑判決を言い渡した。中国当局には、劉氏を重罪に処すことで、民主活動家や知識人に対する見せしめとする狙いがあるとみられている。

 検察側は劉氏が「08憲章」のほか、海外で発表した六つの論文で、一党独裁を批判し、多党制導入を主張したことなどについて、「デマや誹謗(ひぼう)などを通じて政権転覆を扇動した」と指摘。これに対して劉氏側は「言論の自由」を根拠に無罪を主張していた。

 法院を訪れた米大使館員(人権担当)は「判決に強い懸念を表明する。中国政府に対し即時釈放を改めて要求する」と述べた。「08憲章」にも署名した劉氏の支援者は「中国に言論の自由がないことを証明した」と話した。

 劉氏は1989年の天安門事件の際、米国留学から帰国して民主化運動に参加、事件後に逮捕され、1年8カ月間投獄された。釈放後も96年から99年まで3年間、労働改造所に送られたが、文筆活動で中国の民主化を主張し続けてきた。

 しかし「08憲章」がインターネット上で発表された昨年12月に拘束され、今年6月、正式に逮捕された。「08憲章」への署名は当局によるネット規制にもかかわらず、1万人前後になったとされる。

裁判所周辺は、公安当局が厳戒態勢を敷き、裁判所前に「記者エリア」を設置、外国人記者の取材活動を規制する措置を講じた。

体制維持へ危機感=「08憲章」拒絶、活動家に厳罰?中国
(2009/12/25-12:02 とれまがニュース)
※時事通信配信の記事らしいが、なぜか時事のサイトには見当たらない

 【北京時事】中国の著名な反体制作家の劉暁波氏(53)に、国家政権転覆扇動罪で懲役11年を言い渡した25日の判決は、共産党体制への批判は許さないという中国当局の意向を反映したものだ。劉氏らが「08憲章」で要求した民主化を厳罰をもって拒絶したことは、それだけ中国当局が体制維持に危機感を強めていることを浮き彫りにしたと言える。

 中国では、リストラや立ち退きといったさまざまな問題で住民の不満が高まっており、官民の衝突や民衆暴動が各地で頻発している。胡錦濤政権は社会の安定を最優先に、党・政府幹部への監督強化や法整備などで解決を図る一方、党や政府に対する批判は厳しく取り締まり、人権活動も締め付けている。

 昨年の四川大地震で校舎が倒壊して子供が死亡した遺族らを支援していた人権活動家の黄※氏(※=王ヘンに奇)は先月、国家機密文書の不法所持罪で懲役3年の判決を受けた。汚染粉ミルク事件で損害賠償訴訟を起こした人や、政府への陳情者も相次いで拘束されている。

 1989年の天安門事件で息子を亡くした女性は「中国政府は北京五輪前に人権の改善をアピールしていたが、建国60周年で締め付けが強まり、民主化はむしろ後退している」と指摘する。

 08憲章は、中国社会の現状について「官僚は腐敗し、法治は実現せず、人権は色あせている」とした上で、「時代遅れの現行体制は、直ちに改めざるを得ない状態に陥っている」と警告した。こうした主張に耳を傾けず、厳しく処罰して言論を封じ込めようとする中国当局の姿勢は、同憲章が的を射た批判であることを裏付けている。

案の定、海外からは批判の声が出ている。判決そのものに対してもさることながら、裁判の海外に対する非公開性にも批判が集まっている。

「中国語の記事は配信していない」という部分には、ヤブヘビを恐れる当局の余裕の無さが表れている。日経や最後の時事の記事にも垣間見えるが、市民の中国共産党に対する不満は既にかなりのレベルに達していると考えられるのではないか。

そして、「デマや誹謗」を行った、という言いがかり。
もう一度、「08憲章の全文」を読んでいただきたい。
どこに「デマ」があるというのか。
どのあたりが「誹謗」だというのか。

むしろ、劉暁波氏への判決の方にこそ「デマや誹謗」が含まれていないか?

08憲章ですらまだもの足りないが、最低でも憲章で謳われている「中華連邦共和国」レベルまでは行ってほしいものだ。

チベットの人道的侵害でスペイン最高裁が判決

「普遍的管轄権」という言葉をご存じだろうか。私はつい最近になって初めて知った。

国際法によれば、国家は、国際法上の犯罪の加害者を訴追することが可能であり、場合によってはそれを要求されている。この管轄権は、どこで、いつ犯罪が起きたかに関わらず、また被疑者あるいは被害者の国籍に関わらず、また、法廷が設置されている国に何か特別な関係、例えば当該国家の安全保障など、があるかどうかに関係なく存在する。
普遍的管轄権は、国際法上もっとも重大な犯罪として、ジェノサイド、人道に対する罪、戦争犯罪、拷問、超法規的処刑および「失踪」に適用される。国内法の犯罪である、殺人、誘拐、暗殺および強かんなどにも同様に適用される。

(アムネスティの資料より)

これまでに、ピノチェト事件(後述)で普遍的管轄権によってチリのピノチェト元大統領がスペインでの判決に基づきイギリスで逮捕された例や、グァテマラの虐殺や拷問に対しスペイン憲法裁判所が普遍的管轄権を認めた例があり、日本でも日本の法輪功愛好者が中国大使館と江沢民・前中国国家主席らに対し集団虐殺罪と名誉棄損で損害賠償を求めて大阪地裁に訴えたことがあった(これは却下された)。

先日、ロンドン在住の日本人チベットサポーターのWさんから興味深い情報が流れてきた。
またもスペインで、チベットの虐殺・拷問の問題で最高裁が中国法務部代表8人に判決を通達したというのである。(これが、私が『普遍的管轄権』という言葉を初めて知ったきっかけだった)

以下、WさんからTSNJメーリングリスト経由で送られてきた内容を引用。

スペイン最高裁の裁判官はチベット自治区党,張慶黎書記長を含む、中国法務部代表8人に最高裁決定を通達した。決定は2008年3月以降続いているチベット人に対する厳しい取り締まりに関し、チベットの人々に対する犯罪についての調査を懸案事項に含む。
裁判官は中国外務省に対して、もしスペイン国内の裁判所での被告人に対する質問が拒否された場合には、中国国内で行われることができるよう許可の申請をした。
Santiago Pedraz裁判官はまた、チベット内の刑務所と抗議行動の起こった主要地を視察する許可を申請し、インド政府にもダライラマと亡命政府の拠点であるダラムサラでチベット人目撃者に証言をとる許可も申請。

この訴訟は現在スペイン最高裁判所で” 普遍的管轄権” に基づき現在進行中の2つのチベットに関する訴訟のうちの一つで、これによって最高裁はテロや戦争犯罪、拷問の関連が認められた場合には国境を越えてアクセスが可能になる。

特に昨年の武力鎮圧を含む、2006年以降に関するこの訴訟はTibet Support Committee of Spain (CAT) と Fundacion Casa Del Tibet, Barcelona(バルセロナ、チベットハウスファンデーション)から起こされ北京オリンピックの開幕わずか数日前に、裁判所に受理された。

Judge Pedraz裁判官は中国当局に、 AFP通信社 (May 5, 2009)によって指摘され提出された、今訴訟に関する裁判の参考書類によると、2005年に中国はスペインと二国間の司法協力協定に署名したことについて指摘し”私たちのそれぞれの二国間の友好関係を考え,私の要求に対して良い回答をしてくれることを望む”と書面で発表。

裁判官はさらに、これらの告訴内容が実証されれば、人道侵害の罪でスペイン法と国際法の両方で裁かれることになると発言。

”チベット住民は政治的、民族的、文化的、宗教的、国際法のしたで世界的に認められないとされているその他の動機などによって迫害されてるグループのように見えるだろう”と同氏は、書いたとAFP通信の報道。

裁判所によって公表された判決内容では Pedraz裁判官は”現在訴訟手続きの経過で調査中である、チベットの人々に対する人道侵害の犯罪の関与”について” 中国の指導者を質問することの必要性を強調.
また同様の書面の中で訴訟に関する書類のコピーが同封されている事にふれて”スペインの刑事法
と刑法775に乗っ取って弁護する権利を行使するためには、
もし被告人がこの(スペインの)最高裁でそうするのを拒否した際には、中国国内にて中国法務部から中国への被告人質問を行う司法許可を得るため、
スペイン国内で連絡が可能な指定されたアドレスをもつことが必要です。”と
ある。

起訴状によると8名の中国当局関係者、被告人の中には以下の3名も含まれている。

●- チベット自治州チベット自治省の共産党書記Zhang Qingli(張慶黎)
ダライラマに対する悪意に満ちた声明や、チベットにおける愛国教育のキャンペーンなどで知られ、チベットにおいて反感や不安を招いたとされる。

●- 新疆自治区ウイグル自治区トップの共産党委員会書記、
ウイグルの人々に対して、一連の強硬政策の指揮をとった
中国共産党中央政治局Wang Lequan(王楽泉)

●- 前中国少数民族?外交流教会会長、チベットを含む中国の西部地域全体の経済政策の指導計画の実施にしていた Li Dezhu(李匇洙)

今回の訴訟の指揮を執ったのは、
Jose Elias Esteve Moltoバレンシア大学国際法学科教授と、Alan Cantos のSpanish Tibet Support Committee(スペインチベット支援委員会)で海洋学の研究者は、今回の訴訟についてこう語った。

「我々は国際法を用いてチベットの人々に正義を求めると同時に、中国政府指導者に対してはっきりと責任をとうことの出来る方法を調査しました。現段階ではまだわかりませんが、起訴された中国指導者らの証言要求に従うことが彼等によって拒否された場合には、スペインと犯罪者引渡条約を結ぶ国の国内で、彼等を逮捕することができます。これはインターポール(国際刑事警察機構)による規約であり、個々の政府によるものとは関係なく施行されるものです。

ICT広報担当官で今回の裁判にも、スペインに出向いて証言資料等の提出をしたケイト サンダーズの語る所では、

スペインにはチリの独裁者ピノシェ(ピノチェト)逮捕を可能にした裁判官Baltasar Garzonなど参加する『Group of Progressive Persecuters』という司法家の団体があります。

裁判官Baltasar Garzonはピノシェの” 普遍的管轄権” の行使を可能にしたパイオニアで、1998年にインターポールを通した国際逮捕状の発布により、治療目的でロンドンを訪れたピノシェを逮捕に至リました。この件に関してはアムネスティとメディカルファンデーションがピノシェのスペイン最高裁出頭に対して、かなり運動をしましたね。

今回のチベットに関する裁判を担当しているSantiago Pedraz裁判官も、その『Group of Progressive Persecuters』のメンバーの一人で、今回の訴訟の指揮を執った、Jose Elias Esteve Moltoバレンシア大学国際法学科教授と、Alan Cantos の二人は自国の法の枠を越えて普遍的な人道に関する罪を” 普遍的管轄権” の行使によって可能にすることこそが、ダライラマの説く「中道」アプローチだと共感し、10年の歳月をかけて訴訟を起こしました。

現在スペインではチベットに関する2つの個別の訴訟が起こされています。
一つが、この記事に関する去年3月動乱以降に関するもの。
と、もう一つは過去50年にさかのぼって、チベットにおける中国の「人道に関する罪」を問うものです。(労働改造所への強制収容、漢族との通婚の強制などを含む)
なお、2006年9月30日に起きたナンパラ峠での少年・尼僧射殺事件についても、現在準備中だそうです。

この国際法によるアプローチの優位性は、国際法というインターポールを通した刑の行使によって個々の国の法律を乗り越えことを可能にする点です。
ロンドンでピノシェを逮捕可能にしたように、スペインと犯罪者引渡条約を結ぶ国の国内で、起訴された8人の中国人被告人を逮捕することも可能になります。

これに触発されて、様々な国で現在話し合いが始められているようです。

日本でもどのような運動の可能性があるかなど、模索してみたいですね。

日本がスペインとどのような司法協定をもっているか、今回のスペイン最高裁決定に関して、今後どのような運動することが可能かなどについて、日本の司法家でご協力、アドバイスをいただける方、是非とも、ご連絡下さい。

スペインは日本と司法共助条約を結んでいる(参照:外務省公式サイト『スペイン王国』)。その内容によっては上述の被告の身柄を日本からスペインに引き渡すことも可能な訳だ。
「インターポール(国際刑事警察機構)による規約であり、個々の政府によるものとは関係なく施行されるものです」ということだから、つまり、中国の顔色ばかり窺っている腰ぬけ日本政府がどう思おうとインターポールの権限によって施行できるということである。

いずれにせよ、今後の動きに注目。面白いことになるかもしれない。

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クリントン国務長官訪中

21日、ヒラリー・クリントン米国務長官が中華人民共和国を訪れて首脳との会談に臨みました。

クリントン氏はダライ・ラマ法王のファンだという話を聞いていたので、チベット問題や人権問題について踏み込んだことを言ってくれないかと期待していたのですが・・・

22日の朝刊を読んだ時点では、「期待外れか」とがっかりさせられました。

22日の東京新聞朝刊(自宅で購読)によると、

米国は金融危機からの脱却など、差し迫った課題解決を最優先。欧米を中心に、懸念が高まる中国の人権問題については強い姿勢を示せず、火種のまま残ることとなった。

背景には、中国を「ステークホルダー(利害共有者)」として緊密な関係を築いたブッシュ外交の数少ない「正の遺産」をむげにしてまで強硬姿勢を打ち出すのは、現時点では得策ではないとの考えがある

金融問題が最大課題であることは理解できますが・・・
人権問題は差し迫った課題ではないと?

所詮はアメリカも経済大国で、経済優先の国なのか・・・

とがっかりしていましたが、今夜入ってきたニュースによると、最終日の今日、教会を訪れて信教の自由を重視する姿勢をアピールしたり女性人権活動家と面会するなどの動きがあったようです。
いずれもチベット問題に触れた訳ではないのですが、信教の自由や人権の面でささやかながらけん制らしきものがあったというだけでもほんの少しですが「がっかり感」が解消されたというものです。

まだ就任したばかりの長官です。今後のお手並み拝見といきましょう。

中国の知識人ら「中央テレビボイコット、洗脳拒絶」

今朝、東京新聞の国際面を見ると、トップで次のような記事が掲載されていた。

「中国人の知識人ら22人『国営TVの洗脳拒絶』
視聴ボイコット宣言」

【北京=池田実、平岩勇治】中国の学者や弁護士ら二十二人が、国営の中央テレビ(CCTV)に対し「洗脳を拒絶する」などとして視聴ボイコット宣言をインターネット上で発表した。(以下はリンク先にてご覧下さい)

ついに、中央電視台を「洗脳」と公に言い切る中国人が出たか。

私も中国在住時代(江沢民の頃)、CCTVのニュースは見る機会が少なくなかったが、トップニュースは9割方、この日の江沢民、この日の李鵬、この日の朱鎔基といった感じで、更に当時スローガンとして掲げられてた「三つの代表」の言葉がこれでもかと言わんばかりに連呼され、本当に知りたいニュースは後の方。うんざりしていたものだ。
しかも、このCCTVのニュース、午後7時になるとCCTVのみならず、全国の地方局の第1チャンネルでも同時放送されるのだ。洗脳体制は万全である。

[しかし、本当に「洗脳」という言葉を使っているのか? センセーショナルに意訳しているだけでは?]

と、気になって帰宅後、調べてみた。「宣言を発表したサイトは既に削除されたが、多くのウェブサイトに転載され反響も呼んでいる」とのことだったので検索してみると、確かにかなり転載されている
タイトルは、《抵制央视,拒绝洗脑》。確かに「洗脳」という言葉を使っている。

原文の中国語はやや小難しい。手元の辞書にも無いような単語が幾つか出てくる。

分かる範囲で主な部分をピックアップすると・・・

「CCTVのニュース番組は、中国の転換期の社会的矛盾に口を閉ざし、多くの突発的事件や群集事件をスルーしている」
「国内ニュースは喜ばしいことばかり報じて喜ばしくないことを報じず、国際ニュースは喜ばしくないことばかり報じて喜ばしいことを報じない。ニュース番組というよりも宣伝番組だ」
「言論弾圧を行った(清の皇帝)康熙帝、雍正帝、乾隆帝を美化し、歴史の真相を歪曲し、公正で率直な人々から広く反感を買った」
など。

彼らはCCTVがひた隠しにしてきた情報をきちんとキャッチしていた訳だ。インターネット全盛の昨今、いかに政策的に情報を操作しようとしても無理だということをよく表している。時代の変化が彼らに広い視野と自律的思考力を与え、今回の行動に出たということになるだろう。
上記のように、声明の元サイトは既に閉鎖されてしまったが、声明そのもの、そしてそれ以上に、それを報じたニュースはものすごい勢いで転載されている。そして意外や意外、それらのニュースの中にはこの声明に「支持」を表明するコメントが殺到している所もあるのだ。声明を出した22人だけではない。中国人の現状に対する不満は想像以上なのだ。

もはや、情報を統制して人民の考え方を誘導することは不可能な段階にまで至っていると言えそうである。中国共産党の体制を維持してきた”洗脳”の綻びがこれほどまでに大きくなっているとなると、中国共産党一党独裁ももはや末期を迎えているのかもしれない。

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